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研究内容

固体高分子形燃料電池用電極触媒の耐久性に関する研究

 家庭用および自動車用電源として開発が進められている固体高分子形燃料電池(PEFC)は,究極のクリーンエネルギー変換装置として実用化が期待されています.しかし,実用化のためには,電池製造にかかるコストを下げること,さらに電池材料の長寿命化が必要不可欠であります.特に,電極材料の製造コストは,単セルコスト全体の約40%も占めるため,安価・高触媒活性・長寿命な電極材料の開発が急務になっています.我々の研究室では,PEFCの正極触媒として使用されるPt合金触媒の溶解劣化機構の解明,電極反応機構の解明,Pt使用量を低減したPt合金触媒の開発などの基礎研究を活発に行っています.

ナノスケールでの金属材料の溶解機構解明に関する研究

 金属材料の溶解速度を定量評価する技術は,その溶解機構解明や寿命予測を可能にするため,高耐久性を有する材料設計に有益な情報を資するものであります.しかし,溶解劣化がナノから原子レベルで進行しますと,そもそもその検出は極めて困難といえます.我々の研究室では,触媒材料・生体材料・構造材料を対象に,電気化学測定法・溶液分析法・電子顕微鏡法・数値シミュレーション技術を活用して,材料の使用環境下におけるナノスケールでの溶解劣化過程のモニタリング技術開発に取り組んでいます.また,これら技術を適用して得られた結果を基に,高耐食性材料開発指針の提案や防食技術の確立を目指しています.

鉄鋼材料の土壌腐食に関する研究

 近年,省資源・省エネルギーの観点から鉄鋼材料の長寿命化が求められています.また,我々の社会生活を支えるインフラ構造物の老朽化も社会問題となっています.特に,土壌に埋設された鋼管杭やコンクリート内部の鉄筋は腐食により重大な事故につながる可能性がありますが,目視でその劣化状況を確認することは困難といえます.このように直接見えない部分に使用される材料の信頼性担保および長寿命化を実現するために,我々の研究室では電気化学測定法を駆使した,腐食モニタリング技術の開発に取り組んでいます.

大井研究室
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